アラサーさんが通る

アラサーが仕事を全うできるまでの記録

生命保険会社の営業を経て得たもの

大手生命保険会社、営業職。
お客様対応になるので、BtoCの営業になります。
 
三年間の略歴をまとめるとこんな感じ。
2015年 入社。新人教育。
2016年2月ー2017年3月 新人教育を経て異動。超ハイパー上司の元について数字をこなす。初表彰。
2017年4月ー2018年3月 上司交代によるチーム解散。12月ストレスで帯状疱疹(未だに痕は残っています。ヒィ)
いろいろ考えた末、2018年になったら転職活動をしようと決意。
2018年4月
新規部隊発足により、異動。4月下旬に退職を伝える。
 
転職は転職の話でまとめて行きたいと思いますが、今回は生保営業の話。
何が大変で、何がいいところか。生保業界で得られるスキルや、仕事への姿勢など。
 
生保に居て思うのは、営業職のいろはが身につくということでしょうか。
 
営業職=自社商品を買ってもらう。故に世間のイメージでは「おねがいします営業」とか、女が営業をやることについてちょっと穿った目で見る方なんてのもいらっしゃいますが、基本はなんら普通のサラリーマンです。営業職をするなら、スキルをしっかり身につけられるところがいいのではないでしょうか。その点生命保険はいいと思います。
(私は勝手にBtoCの究極の営業職は、住宅、車、保険と勝手に思っております。)
 
もちろん保険の販売というのが最終目標にはなります。ですが営業職の仕事を分けて考えた時には
①商品の広告役
②商品の便利な活用を教える。
③公的サービスと私的サービスの違いを伝える。
④昔に購入されたお客様へのフォローアップ。
 
以上がお客様に対してのお仕事。会社に対しての仕事は
 
⑤商品がどのように消費者に認知されているか肌で感じ、報告をする。
⑥会社へのインカムをもたらすこと。
⑦社員の直接雇用(もちろん、会社によっては違いますが。しかし営業職が活躍することによって営業職にとっての理想の人物を人事にお伝えし、採用への手助けができます。)
 
などなど多岐にわたります。
 
「保険」を例に説明していきます。
 
①商品の広告役。
せっかく頭のいいアクチュアリーさんを以ってして最高の保険サービスが作れたとしても、やはり営業が直接お客様に商品の魅力をお伝えできなければ意味はないです。CM・街頭広告での戦略はもちろんのことですが、やはり広告はとっかかり。それだけでは商品の理解は難しく、イメージを持ってもらうことの目的しか果たせません。また、商品によっては広告を打ってもリターンが少ないのでやらないものも。結局営業職員に広告を任せている部分もあります。
どう広告を打つか。話の中にすりこませる。雑談力がつきます。
 
例えば年金がそうです。資産運用の商品とかあったんですけども、いきなり「個人年金保険、どうですかね?」なんて言っても買ってはくれません。お客さんによってはもしかしたら商品自体知らないかもです。なので、例えば私だったら最初に貯金の話をします。
「あ、すみません。私ここの担当で。営業活動させてもらってます。〇〇さん何年目ですか」
「3年目です。」
「あ、この春から?」
「そうです」
「4月って何かはじめたい時ですよね。私貯金、なかなかできなくて。〇〇さんできてます?」
「いやーできてないんだよね。」
「あら、何か理由があったり?」
「お酒が好きなんだよね。」
「いいじゃないですか!会社の人と一緒に飲まれるんですか?」
「そうそう」
「それで、楽しくなっちゃうと、使ってしまう。」
「うん。」
「わかりますー」
「1万とかね、すっとね。」
「嫌だ〜怖いーー!!諭吉が消える〜〜!!」
「ほんとはよくないってわかってるんだけども。」
「そしたら、なんかいいの持ってきます。明日います?」
 
実際にはこんなうまく行くわけないですが、こういった仕事になる雑談を繰り返して行くと、自分の得意な話のトピックなどから引き出して有効な広告話法ができる。お酒がアイドルオタになっても大丈夫。車、美食、子供の教育、ファッション、旅行。本当いろんな人がいろんなお金を使っている。
これを10人に話して、1人契約行けたら数字としても確率がいいし、残りの9人がお断りだっとしても11人目に同じことを話すときにはものすごいブラッシュアップされた会話になっています。広告として磨かれた言葉になってお客様の耳に届きます。
 
ちなみに、もっと怖い話ですが上の会話だとお酒というワードが出てきます。ほどほどに飲んでる場合はいいけど、全く飲まない人よりかは疾病のリスクは高くなるので健康についての雑談にもスライドできちゃったりします。筋トレしてる?とかも。それか、酔っ払って怪我しちゃったことありますか、とかでも話せる。怖いね〜生保職員。
 
②便利な活用方法。
一般的な保険のイメージって、怪我・病気・死亡など予想してなかったことに遭遇してしまったときに払われるというのがあると思うんですけども。それ以外にも活用方法があったりします。上の例のように貯蓄への利用。生命保険って受け取る際にはちゃんとお名前のついたお金なので、相続への利用。これによって、病気のときだけじゃないんだとも言える。
 
③公的・私的サービスへの知識がつく。
公的サービスというのは、いわゆる地方自治体で受けられる手当。憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活」という言葉が割と好きで説明しやすいのですが、最低限の保障というのを国も用意してくれているんですね。でも、対象が全国民だから、そんなにみんなに手厚い保障なんてやってらんないよと。ここで生保営業職員が必要なことって、国・地方自治体・会社はどこまであなたを守ってくれるのかを知ることです。特定の会社の担当を受け持っているならなおさらです。総務の人にいろいろ聞くことが必要になってきます。
公的サービスでいうと法人でみると法人税個人事業主の仕組みももちろん入ります。私はBtoCをメインに営業していたので、そこまで詳しくないのですが、中小企業の社長さん・個人事業主の方は日々この問題に頭を悩ませています。ここに特化していくと、税理士さんや社労士さんと互角に仕事ができる、はず笑
 
サラリーマンが売る商品っていうのは、だいたい私的サービスですよね。なので、世にでる商品っていうのは「何か社会で問題があって、それを解決する商品」です。追加でお金を支払って、問題を解決できるようしましょう、という考え方です。
どこまで必要かというのは、個人の状況や価値観・支払い能力によるので、そこをコンサルティングしていくのに公・私のサービス知識が必要です。
 
④フォローアップ
当然でありながら、一番大変なところです。全ての担当のお客さんが100パーセントだったら、80パーセントしか私は1年間でできませんでした。普通はありえないですね。それぐらい大変です。
機械の納品なら、定期的にチェックしにきましたと言えますが、保険ではフォローのアポは取りにくい。保険の商品の性格上実はあまりお客さんに利益というのは発生しにくいです。なので、保険のメンテナンスや確認にお伺いしますと言うと「また売られるんでしょ」といって約束をくれなかったり、はたまた遠方にお引越しされてしまったり、電話すら出てくれなかったりというのがあります。しかもこちらでは新契約が生まれない限り利益は無いです。
まあお客さんからしたら、毎月毎月お金を払っているのに、実際(幸いなことですが)保険金を受け取るということもなかなか無い。人によっては保険商品の不満みたいなものがあるし、忙しいのにただの確認をして新しい商品を紹介されんのもめんどくさいなあなんてところじゃないでしょうか。そういった少しクローズドされた心を和らげ、いつもお取引ありがとうございますと素直に感謝の気持ちを伝え、保険の意義を改めて伝えて行く。根気のいる仕事でもあります。お客さんにトラブルがあったときには、本当に連絡もしづらいです。
 
以上がお客様に向けた仕事。
 
⑤商品がどのように消費者に認知されているか肌で感じ、報告をする。
広告に関連しますが、商品のイメージがどのように感じ取られているかを肌感覚でわかるのは私たち営業職の最たる強みではないでしょうか。それを会社・管理職に報告する役目でもあります。そうしないと、新しい商品もきっと出てこないでしょう。また商品のイメージって時代・時期・季節によって変わるし、人も男女・年齢・収入によって大きく変動します。具体的にはケースバイケースになってしまいますが、その感覚を養うことが必要です。
 
⑥会社へのインカムをもたらすこと。
これはまさに当然といいますが、営業が商品を売らないと会社の収益にならないんです。もちろん別の方法で利益を得るというのはありますが、純粋な利益をあげられるのは営業職です。その点、数字には厳しく、雇っている側は給与いくらでいくらの収益をあげる営業だなんていう計算もされている方もいらっしゃるかも。
でもこの感覚は、学生のときはすごい怖かったものの考え方ですが、社会人になると当然だと綺麗に飲み込めます。それだけ、社会人というのは数字に対して正しい視点で理解ができるようになるとおもいます。
実際に自分が利益をもたらすという責任を抱えてはいる反面、頑張った分だけ会社・部署に大きく貢献できるのも一つの魅力です。
 
⑦社員の採用。
生保会社あるあるですが、生保を売る以外にもヘッドハンティングのようなことをする仕事もあります。これに関しては生保そのものの体制は行き過ぎたところがあって問題ではあるのですが・・・。
いい面は女性の社会進出の手助けができるんじゃないかということです。もちろん限られた時間で仕事をこなすというのはもちろんですが、定時を早めることだってできるし、育産休の保護も手厚いです。16:00に上がって、成績はいつもトップクラスなんて人もいました。
また、パート・アルバイトの仕事になるとどうしても収入減だったり、将来女性がもらえる年金だって減ってしまいますが正社員でずっと働いているとそんなことはありません。(公的年金そのものの不安性は省きますが。。)
大手生保会社は、固定給与はものすごい高いという訳ではないものの、成績がよければボーナスなどに反映します。「女性 貧困」と検索して見ると、かなり心配になるようなニュースがある中で、未経験でもできるし、やる気さえあればどこまでも給与をあげることができるので女性が働くにはよいかと思います。
 
営業職全般で見ると「こういう人が欲しい」と言い続けることは大事なのではないかと感じることがあります。
会社は人で成り立っていますから、必ずしも10年間同じ人が居続ける訳ではない。ましてや、旦那の転勤でとか、体調を崩してしまってとか、転職したくてとか色々な事情で人が離れては入っていきます。こうしたときに、離れてしまった理由はなにか、また足りない人員を入れるとしたら営業職から始めると思うけどどうしたらいいかとか、人事にお伝えできるはずです。
 
 
以上、つらつらと書きましたが生保営業で身についたこと・考え方でした。